美女あるいは死んだ魚の眼
南玲香は動物性の食べ物をできる限り口にしない。理由はいくつかある。
動物性たんぱく質を消化するのに時間がかかり、体力を消耗する体質なのがひとつ。
味覚は身体に不要なものを食べるとき、不味く感じる。
人間のために動物を一頭育てるのに、多量のエネルギーと水を必要とする。
それに、地球の裏側に住む人達に食べ物が無いのは、動物を育てる方に流れてるから。
つまり、あらゆる意味で、
非効率的な食べ物。
この肉のメリットは、管理の行き届いた環境で、菌に汚染されていないため、安全性がたかいこと。
安全性が大事とやれることを全てするのが、人間の性(サガ)なのなら、食べないことで、求めていない意志を示しておきたい。
嘘か本当か証明されてない。
けれど、玲香は非効率な食べ物は、身体の栄養にならないと感じている。
ところが、動物であっても、野生のイノシシ肉は栄養になると感じる。
野生動物は美女グレード。
もしかしたら、動物の育ち方や環境によって、人間の体内での吸収、消化、感情に影響を与えるのかもしれない。
このことを科学的に証明できて、みんなが納得できたら、地球のこの先の未来が変わるかもしれない。
何を食べたらいいの?
玲香の中で炎上していたこと。
この問題に苛立っていた時期は長かった。
今でもたまに怒っている。
2017.2.7